コラム
製品紹介
2025.04.25

【製品紹介】ねじの締め忘れ、二度締め、締付順序間違いを防ぐトレーサアーム①
基本機能紹介

エスティックは作業現場における締付工程の課題に寄り添い、製品を開発してきました。今回は複雑な作業手順で起きる「締め忘れ」「二度締め」「締付順序間違い」などの課題に対するソリューションとして「トレーサアーム」という製品をご提案します。

締付工程におけるヒューマンエラー

製造現場の締付工程は、締付品質を高めるために作業順序が決められていることが多いです。たとえば、複数のねじを対角に締める対角締めを行う、などです。

対角締め:体格の位置にあるねじを順番に締めること。締め付ける力を均等に。画像では六角形や四角形のワークを締める順番を示しています。

また、一気にねじを締めきらずに仮締め・本締め・追い締めなど、段階的に締付を行う方法もあります。適切な締結力を発揮させるために大切な作業ですが、作業工程は複雑になります。

ねじを段階的に締める。画像では2本のねじがあるワークで、①を仮締め→②を仮締め→①を本締め→②を本締めする例を挙げ、同じねじを複数回締め直す手順を示しています。対角締めでも一気に本締めをすると傾くため、一気に締め切らずにまず仮締めしてから本締めすることを説明するイラスト。

作業者が複雑な作業を一日中行うことになると、どうしてもヒューマンエラーが発生してしまうおそれがあります。締付工程におけるヒューマンエラーは以下のような例が挙げられます。

  • ねじの締め忘れ(未締付)
  • 二度締め(すでに締めたねじを再度締める)
  • 締付順序の間違い(手順とは異なる締付順序で締めてしまう)

複雑な締付工程で起こるヒューマンエラー。作業者のイラストに「何本目まで締めたっけ?次はどのねじ?」という吹き出しがついています。箇条書きで以下が記載。ねじを締め忘れてしまった(未締付) 本締めしたねじをもう一度締めてしまった(二度締め) 手順とは異なる締付順序で締めてしまった(締付順序間違い)

こうしたヒューマンエラーを防ぐため、エスティックはトレーサアームをご提案しています。トレーサアームは締付位置を検出する機能がついた反力受け兼バランスアームとして機能します

トレーサアームとは締付位置検出機能がついた助力アーム。締め忘れ・二度締・締付順序間違いを防止という記載とトレーサアームを使用する作業者の写真。

トレーサアームを導入することで解決できる締付工程の課題についてご紹介します。

トレーサアームで解決できること

①位置検出機能でヒューマンエラーをゼロに

トレーサアームは、締付作業のミスを防ぐための強力なサポートツールです。位置検出機能を搭載し、事前に設定された正しい順序と位置でしか締付ができない仕組みになっています。設定された順序と位置以外ではツールがロックされます。これにより、ねじの締め忘れや二度締め、順序間違いを防止できます。

締付位置でランプ点灯=ロック解除。間違ったままでは締め付けられない、締め忘れたままでは次の締付ができない。作業者のイラストに「正しい位置・順番でだけ締付が可能」というセリフ。

また、ステップごとに「①のねじを仮締め」「②のねじを仮締め」「①のねじを本締め」...というように、位置ごとの締付プログラムを設定できます。一度仮締めしてから本締めや追い締めをする際も、一連の作業を登録することができます。
すべてのねじを順番通りに締め終えれば作業完了となり、次のワークに取り掛かることができるようになります。つまり、トレーサアームを使うと、ねじの締め忘れなどの間違いを起こそうとしても起こせない状態になり、ヒューマンエラーを防ぐことができます。

*動画で実際のトレーサアームの動きをご確認いただけます。


②反力受け兼バランスアームとして作業者の負荷を解消

トレーサアームは反力受け兼バランスアームとして機能し、作業者の負荷を解消します。以下の動画は最大120N・mに対応する高トルクトレーサアームでの締付作業です。反力がないので片手で軽々と作業が可能です。


現在、標準ラインナップで0.1~600N・mをカバーしています。

トレーサアーム標準ラインナップ。4つのラインナップの製品写真と、各製品の対応トルクを記載。マイクロトレーサアーム:0.1~5ニュートン。低トルク用トレーサアーム:1~55ニュートン。高トルク用トレーサアーム:7~120ニュートン。大型トレーサアーム:最大600ニュートン。標準ラインナップで0.1~600N・mをカバー。

③トレーサビリティの向上

ハンドナットランナだけでも締付トルク、角度、作業時刻など、さまざまな情報を記録できます。さらに、トレーサアームと組み合わせることで、位置座標(締付部位)まで記録できます。位置座標の記録があれば、特定のねじを間違いなく締め付けた証明になり、一段階上のトレーサビリティが保証されます。

ハンドナットランナ+トレーサアームで記録できるデータ。ハンドナットランナは締付トルク、角度、時間、波形データ、工程名、作業コード、部品コードなどを記録。トレーサアームは締付位置座標(締付部位)を記録。位置座標があれば締めたねじを特定できる。データをさかのぼれば、このねじは何年何月何日何時何分に締付OKが出ている、とわかる。

設定はダイレクトティーチングで簡単

これまで、トレーサアーム導入のメリットについてご紹介してきましたが、締付位置や締付順序の設定はどういう手順で行うのでしょう。 トレーサアームには誰でも簡単に設定ができるダイレクトティーチング機能があり、実際にアームを動かして締付位置・順序を登録できるため、複雑なプログラミングは不要です。

ダイレクトティーチングで締付位置を登録。トレーサアームを動かしている作業者の手元写真に、ボタンと締付位置を矢印で示しています。作業者に「複雑なプログラミングなしで簡単」と記載。

*動画でダイレクトティーチングの方法をご確認いただけます。

まずはお問い合わせください

今回は複雑な作業工程で起きる「締め忘れ」「二度締め」「締付順序間違い」といった締付ミスに対するソリューションとして、トレーサアームをご提案しました。 近年、労働人口の減少が大きな社会課題となっています。トレーサアームを使えば、どんな方でも締付ミスを起こすことなく、大きなトルクの締付でも身体に負担の少ない作業が可能になります。

トレーサアームのカスタマイズや応用事例を知りたい方は、「【製品紹介】ねじの締め忘れ、二度締め、締付順序間違いを防ぐトレーサアーム②カスタム事例・応用事例」もお読みください。

今回はねじの締付精度を高めるために、1本ずつ対角に締める方法をご紹介しましたが、複数のねじを同時に締める「着座同期締付」でさらに精度を高めることも可能です。 着座同期締付での精度向上にご興味がある方は、カスタム品「マルチスピンドル」のコラムをお読みください。マルチスピンドルは2軸以上のナットランナを組み合わせるカスタマイズで、反力の解消にもつながります。

新製品情報 広範囲用トレーサアーム

トレーサアームに新たなラインアップが追加!

広範囲用トレーサアーム「Large Tracer Arm 120」をリリースしました。

広範囲用トレーサアームの製品画像。「最大120ニュートンの締付に対応!Large Tracer Arm 120 広範囲用トレーサアーム EH2-JTA1010-L/R」というテキストと、トレーサアームの腕を大きく広げた画像に「1000mm×1000mmのロングアーム」というテキストが記載。

アームが1000×1000mmのロングリーチ対応で、EV車のバッテリーパックなど、締付範囲が広いワークの締付に最適です。

エスティックでは製品のデモを受け付けております。ご興味がありましたら最寄りの営業所にご連絡ください。また、本社のテクニカルルームではトレーサアームを含めたさまざまな製品の締付体験が可能です。遠隔の場合は、リモートデモでのご説明が可能です。

その他にも、締付工程における課題がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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