コラム
製品紹介
2025.07.25

【製品紹介】ねじの締め忘れ、二度締め、締付順序間違いを防ぐトレーサアーム②
カスタム事例・応用事例

トレーサアームは締付機器(ハンドナットランナ)を取り付けて使用する助力アームです。反力受け兼バランスアームとして機能し、作業者の負荷を解消すると同時に、締め付けるねじの位置を検出する機能を持っており、締め忘れ、二度締め、締付順序間違いを防止します。今回はトレーサアームをより便利にする活用方法をご紹介します。

*トレーサアームの基本機能を知りたい方は前回の記事をご覧ください。

トレーサアームをもっと便利に

【便利な機能】ワークのズレに対して、締付位置座標を補正する機能

ワークの位置決めが安定しない工程で、ワークパレットや台車の基準位置を測定して、座標の補正を行います。XY座標に対して垂直・水平・回転方向のズレを補正できます。
※一部対応していない機種もあります。

トレーサアームの位置補正機能の説明画像。①基準位置となる座標を登録。②締付前に基準位置の2点を計測。

【アクセサリの活用】

ソケットの選び間違いを防止する「ソケットトレイ」
複数のソケットを取り替えて締付を行う工程ではソケットの選び間違いが発生するおそれがあります。ソケットトレイというアクセサリを使えば、ランプが点滅し、次に選ぶソケットを教えてくれます(セレクトソケット機能)。もしもランプの点滅を見逃して間違ったソケットを取り付けたり、ソケットの交換を忘れたりしても、ツールがロックされるため、ミスを未然に防げます。

トレーサアームとソケットトレイを組み合わせるメリットを説明した画像。ソケットトレイは1つのツールで複数のソケットを付け替える工程でソケットの選び間違いを防ぐもの。トレーサアームで締付箇所、ソケットトレイでソケットの選択をそれぞれ防ぎ、ダブルでヒューマンエラーを防止。

トレーサアームで締付箇所、ソケットトレイでソケットに関するヒューマンエラーを防ぐことができます。
*以下の動画では高トルク用トレーサアームにソケットトレイ(セレクトソケット機能)を組み合わせています。

トレーサアームのカスタム事例

タッチパネルに締付順序を分かりやすく表示

トレーサアームの利便性をさらに高めるカスタマイズの実績も多数あります。タッチパネルに実際のワークの写真を表示し、締付順序を視覚的に示すことができます。次に締めるねじの位置や、締め終えたねじのOK・NGの判定を画面に表示することで、作業者を的確にサポートします。

トレーサアームを使用する際、タッチパネルで締付順序を表示してサポートする様子をイラストで表現した画像。六角形のワークで①②という番号は緑色に代わり、③のねじが青に変わっている。③に「次に締める場所を表示」というふきだしがついている。

多様な締付方向に対応

横締めや斜め締めなど、標準品では対応できない締付方向にアプローチするカスタマイズ実績が多数あります。締付ワークの図面データをいただければカスタマイズの提案も可能です。ユーザー様から実際のワークをお借りして、リモートでご説明やワークの位置決め箇所のご確認をした実績もあります。

大型トレーサアームにハンドナットランナと倍力ギヤをつけたカスタム品の実際の写真。「800ニュートンに対応」と記載。

高トルクの締付を実現する「倍力ギヤ」や「反力受け」

トレーサアームにはそれぞれ適用トルク範囲がありますが、カスタマイズによって、適用トルク範囲を超えた高トルクに対応可能です。
たとえば、大型トレーサアームに取り付けるハンドナットランナ(EH2-R3370-A 適用トルク範囲:74370 Nm)に倍力ギヤを取り付け、800Nmの締付に対応した実績があります。

大型トレーサアームにハンドナットランナと倍力ギヤをつけたカスタム品の実際の写真。「800ニュートンに対応」と記載。

倍力ギヤや反力受けなどを利用すれば、標準品のスペックでは対応できないトルクにも対応できます。さまざまな装置を手掛けてきた実績から、お客様のご要望をかなえるカスタマイズをご提案します。カタログに掲載されていないスペックが必要な場合も、まずは一度ご相談ください。

位置検出機能を取り除いたサポートアーム

位置検出が不要なワークに対しては、トレーサアームから位置検出機能を取り除いた「サポートアーム」も標準品として提供しています。
また、さまざまな形状の助力アームの製作実績があります。以下は350N・mの高トルクに対応するカスタム品の助力アームの実例です。標準品ツールと助力アームに加えて、バランサや架台なども含めて、ワンストップでご提供します。

カスタム品の助力アームにハンドナットランナとバランサをつけたカスタム品の実際の写真。「350ニュートンに対応」と記載。

応用事例 トレーサアームを自動組立装置のバックアップ工程に使用

自動組立装置のバックアップ工程でサイクルタイム短縮とトレーサビリティ確保を両立

自動組立装置のバックアップとしてトレーサアームを納入することがあります。装置が締付NGと判定したねじを締め直すためにトレーサアームを使用します。

自動組立装置のバックアップとしてトレーサアームが設置されている締付工程の実際の写真。直交ロボットが2台ついた自動組立装置の左脇にトレーサアームが設置されている。

自動組立装置での締付工程で一部の締付にNGが出た場合、後工程で締付確認の作業が必要となります。
従来は全締付箇所をトルクレンチでひとつずつ確認していました。たとえば、締付箇所が4本あれば4本とも再確認し、トルクレンチで「4回締めた」ことですべてのねじを確認した、とする方法です。この方法はOKと判断されたねじまで確認することになるため、作業者の時間と手間がかかっていました。

自動組立装置のバックアップ手法①トルクレンチで全数確認の説明イラスト。4本中2本目のねじのNGが発生した際、トルクレンチで締付確認を行う作業者のモノローグとして「OKが出たねじの確認っているのかな?」「サイクルタイムを縮めたいのに...」というセリフを記載。現場管理者には「時間も手間ももったいない」というセリフを記載。「全数確認は非効率...サイクルタイムを短縮したい」というまとめのテキストが記載。

そこで、センサ付きテンプレートを導入して特定の締付箇所をたしかに締め付ける手法が登場しました。センサで締付箇所の記録も残るので、すべてを締めなおす必要はなく、時間と手間の短縮にもつながります。
ただし、設計変更時にはテンプレートも改造する必要があり、小ロット・多品種生産の工程では対応しきれないこともあります。

自動組立装置のバックアップ手法②センサ付きテンプレートの説明イラスト。締付箇所にテンプレート(ねじの場所に穴が開いている)を重ね、イメージ図に「NG箇所だけでOK!」「センサで締付箇所の記録も完了」と記載。「確認の時間と手間を削減!締付位置のトレーサビリティも残る! しかし難点も...」というテキストの下に「小ロット多品種の工程には不向き」「設計時は要改造」と記載されている。

全数確認とテンプレート使用時の難点を同時に解決する手法がトレーサアームを使用したバックアップです。
自動組立装置でNGが出た箇所の締付プログラムがトレーサアームに入力され、作業者がトレーサアームで指示された箇所の締付を行います。これなら作業手順の教育や独自のポカヨケ対策などが不要で、位置座標、締付日時、締付にかかった時間など、さまざまなデータの記録も可能です。

自動組立装置のバックアップ手法③締付NG箇所をトレーサアームで締付の説明イラスト。自動組立装置のふきだしに「2本目のねじが締付NG」と記載。そこからトレーサアームのイラストに矢印で「対応する締付プログラムが入力」と記載。「締付位置まで記録されるからトレーサビリティも万全!」というテキストが記載。

最大99個の締付プログラムを登録できるため、混流生産・多品種生産の工程のバックアップに最適です。また、締付位置の登録もダイレクトティーチングで簡単に行えるため、設計変更で締付位置が変更になった場合の対応もスムーズです。

トレーサアームをバックアップに使用すれば、全数確認よりも作業者の手間と工数をおさえられ、テンプレートを使用するよりもさまざまな工程に柔軟に対応できます。

まずはお問い合わせください

今回はトレーサアームの便利な活用方法をご紹介しました。今回ご紹介したソケットトレイなど、ハンドナットランナのアクセサリやオプションについてはこちらの資料をご覧ください。
カスタム対応についてはこちらをご覧ください。

新製品情報 広範囲用トレーサアーム

トレーサアームに新たなラインアップが追加!

広範囲用トレーサアーム「Large Tracer Arm 120」をリリースしました。

広範囲用トレーサアームの製品画像。「最大120ニュートンの締付に対応!Large Tracer Arm 120 広範囲用トレーサアーム EH2-JTA1010-L/R」というテキストと、トレーサアームの腕を大きく広げた画像に「1000mm×1000mmのロングアーム」というテキストが記載。

アームが1000×1000mmのロングリーチ対応で、EV車のバッテリーパックなど、締付範囲が広いワークの締付に最適です。

エスティックでは製品のデモを受け付けております。ご興味がありましたら最寄りの営業所にご連絡ください。また、本社のテクニカルルームではトレーサアームを含めたさまざまな製品の締付体験が可能です。遠隔の場合は、リモートデモでのご説明も承ります。

その他にも、締付工程における課題がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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