コラム
カスタム品紹介
2024.12.23

【カスタム品紹介】多軸同期締付を可能にするカスタマイズ「マルチスピンドル」

お客様の作業現場やワークの形状に応じて標準品をカスタマイズすることで、さらに利便性が向上することがあります。
今回はナットランナを2軸以上組み合わせて、同期締付に対応するマルチスピンドルをご紹介します。簡単なカスタマイズで手軽に導入でき、作業時間の短縮・締付精度向上・反力ゼロを実現します。

*前回ご紹介したカスタマイズ、狭い場所などアプローチが難しい締付箇所に対応する「クローフットギヤ」についてはこちら

マルチスピンドルとは?

マルチスピンドルは、複数のナットランナを組み合わせることで、同時に複数のねじを締めることができるカスタマイズです。これにより、効率的で精度の高い締付が可能になります。ストレートツールを中心にナットランナの形状もさまざまで、ピッチ可変機能や旋回機構がついたものなど、多様なバリエーションがあります。
このコラムでは主にハンドナットランナを使用した2軸のマルチスピンドルについてご紹介します。PLCレスで制御盤も不要なため、手工具のように手軽に導入できます。

ハンドナットランナ マルチスピンドル2軸カスタム例として5種類のカスタム実績を画像にまとめています。

以下の画像は、ハンドナットランナ(ストレートツール)2本を1つにまとめたシンプルな構成の2軸マルチスピンドル仕様です。両手でトリガー付きハンドルを握ることで、2本のねじを同時に締め付けられます。

シンプルな2軸マルチスピンドルの構成。ハンドナットランナ2本、トリガー付きハンドル、ソケットアッセンブリ2本で構成されています。トリガー付きハンドルを両手で握ります。

マルチスピンドルは作業時間の短縮・締付精度の向上、反力ゼロという3つのメリットがあります。マルチスピンドルは標準品のツールを少しカスタマイズするだけで導入できるためコストの面でも導入工数の面でも手軽で、装置のように複数のねじを高精度に締め付けられます。

マルチスピンドルのメリットは作業時間の短縮・締付精度の向上・反力ゼロの3点です。さらに、標準品のカスタマイズなので、イチからつくる装置に比べて、導入が簡単で低コストです。

マルチスピンドルの3つのメリットについて詳しくご紹介します。

マルチスピンドルを使用する3つのメリット

1.作業時間の短縮

マルチスピンドルは一度に複数のねじを締められるため、作業時間を大幅に短縮できます。「効率的に生産を進めたい」というご要望にお応えします。
たとえば、自動車のタイヤのように同心円状に6本のねじが均等に並んでいる場合、通常6回締めなければいけませんが、2軸マルチスピンドルなら3回、3軸のマルチスピンドルなら2回で完了します。締め付ける回数が減り、作業時間も短くなります。

自動車のタイヤのように同心円状にねじが6本均等に並んでいるワークの図です。1本ずつ締めると6回の締付が必要ですが、2本だと3回、3本だと2回と締付回数を少なくでき、作業時間を短縮できます。

タイヤだけでなく、自動車部品のクランクプーリーフライホイールも円形なので、マルチスピンドル納入の実績が多数あります。円形だけでなく、四角形の四隅の締付箇所における対角の同期締付にも対応します。さらに、エンジンのシリンダーヘッドなど、2列に並んだねじを内側から順番に締め付ける際も高精度な締付が可能です。

マルチスピンドルの納入実績が多いワーク形状3種類を紹介しています。同心円状に等間隔に並んだねじ、四角形のワークの四隅のねじ、2列に並んだねじ。

2.着座同期締付により締付精度が向上

マルチスピンドルにすることで、なぜ締付精度が向上するのでしょうか。
複数の締付箇所でワークを締め付ける場合、1本ずつ本締めするとワークが傾くおそれがあります。
マルチスピンドルは着座同期締付が可能です。着座同期締付は、先に着座したねじが他のねじが着座するまで停止して、同時に本締めをスタートする機能です。同時に本締めすることでワークを均一に締め上げられ、締付精度が向上します。

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以下の動画では2軸マルチスピンドルの着座同期締付の動きを紹介しています。


エスティックのコントロールユニット同士はNETケーブル1本で接続できます。マスター局となるコントロールユニットに締付指令を出すと、ローカル局も同一動作を行います。この機能で着座同期締付を行っています。

マルチスピンドル機能の紹介です。マスター局とローカル局はNETケーブル1本で接続します。マスター局へ指令するとローカル局も同じ動作を行います。

3.反力ゼロ

マルチスピンドルは締付の際に発生する反力を他の軸が受けるため、作業者に反力はかからず、反力受けが不要です。1000Nmを超える実績もあります。

高トルクのマルチスピンドルの実績として、アングルツールで最大120ニュートンの横締めができるものと、ストレートツールで最大1200ニュートンを締められる簡易装置の画像を掲載しています。"

マルチスピンドルのカスタムバリエーション

マルチスピンドルにはさまざまなカスタムバリエーションがあります。

ピッチ可変機能付きマルチスピンドル

複数のねじ間の距離が異なる場合や、ピッチの異なる複数の機種に対応する場合に役立ちます。

ピッチ可変機能付きマルチスピンドルで対応できるワーク形状の紹介です。複数のねじ間ピッチのあるワークや、ピッチの異なる複数の機種を締める場合に使用します。

手動でピッチ可変を行うものもあれば、電動アクチュエータを組み合わせて、自動でピッチ可変を行うものもあります。

ピッチ可変機能付きマルチスピンドルの実績として、手動でピッチ切替できるものと、電動アクチュエータでピッチ切替できるものの画像を掲載しています。

旋回機構付きマルチスピンドル

ハンドルで旋回する機構がついたマルチスピンドルです。ワークを横締めする場合に有効です。

旋回機構付きマルチスピンドルの実績画像です。ハンドルで旋回し、横締めに対応します。

さまざまなツールタイプに対応

マルチスピンドルはストレートツールで製作することが多いですが、ピストルツールやアングルツールの実績もあります。 ピストルツールは上部の長さの短縮のため、アングルツールは横締めに対応するためなど、ワークや現場に合わせたツールで製作します。

3つのツールの形状のマルチスピンドルの実績画像です。ストレートツールはスタンダードに使用されており、ピストルツールは上部の長さを短縮できます。アングルツールは横締めに対応します。

さまざまな本数に対応

これまでは手軽に導入できるハンドナットランナのマルチスピンドルをご紹介してきましたが、エスティックは多軸構成で全軸同期締付を行う自動組立装置も製作しています。お客様のご要望をお聞きしてイチから製作するため、製作期間やコストはかかってしまいますが、締付精度は非常に高く、締付にかかる時間も大幅に短縮します。

多くのねじの全軸同期締付を実現する自動組立装置の実績画像です。10軸以上のナットランナで組まれた装置の画像が5種類掲載されています。

その他

今回ご紹介した以外にも、協働ロボットやトレーサアームにマルチスピンドルを取り付けるなど、さまざまなマルチスピンドルの製作実績がございます。

まずはお問い合わせください

エスティックでは、幅広い標準ラインナップと豊富なカスタム実績でお客様に最適な締付ソリューションをご提案します。
まずは、締付箇所、ワーク、締付トルクなどの条件や、締付工程でのお困りごとについてお教えください。事前のデモやワークをお借りしてのテスト等も可能です。まずはお問い合わせください。

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